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Rickeyクルーズに通うことになったきっかけは?
「そろそろ本格的に仕事に向けた活動をしたい」と思っていたため、
就労移行支援事業所に通うことにしました。
これまで相談をしてきた「青葉病院のデイケアの相談員(長山さん)に勧められたのがきっかけでした。
精神科デイケアの通所も重ね、体調も整ってきたことから「そろそろ本格的に仕事に向けた活動をしたい」と思っていたため、就労移行支援事業所に通うことにしました。

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Rickeyクルーズではどんなことに取り組みましたか?
各種講座への参加やクライシスプラン・プロフィールシートの作成、あすと長町市営住宅の清掃実習などに取り組みました。
各種講座への参加やクライシスプラン(体調管理シート)・プロフィールシート(自身の特性や配慮いただきたい点のまとめ)の作成、あすと長町市営住宅の清掃実習などに取り組みました。
講座で特に印象に残っているのは、菅野さん(Rickeyクルーズ長町南のサービス管理責任者)の『話し上手は聞き上手』の講座です。
体調管理のために「無理をしないこと」や「休みの日はゆっくり休むこと」をRickeyクルーズでの活動を通して学んだため、現在も意識しています。
クライシスプランは今でもたまに見返しており、基本的には青色(体調のよい状態)が続いていることを自覚できています。
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Rickeyクルーズの活動で印象に残っていることは?
Rickeyクルーズのサービス管理責任との面接練習は緊張したので特に印象に残っています。
菅野さん(Rickeyクルーズのサービス管理責任者)との面接練習は緊張したので特に印象に残っています。
その時は志望動機が上手く言えなくて、何度も練習したことをよく覚えています(笑)

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今の仕事に就くことになった経緯は?
業務内容に興味があったため、応募前の企業見学会に参加したのがきっかけです。
Rickeyクルーズのスタッフから「この求人はいかがですか?」と提案してもらった非公開求人(※)があり、その業務内容に興味があったため、応募前の企業見学会に参加したのがきっかけです。
非公開求人で募集されるケースの場合、その多くは就労移行支援事業所などの支援機関に通っている方で、就労後のサポート体制がついている方を優先して雇用したい場合などに非公開求人として募集する場合があります。
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どのような就職活動をしましたか?
非公開求人をいくつか提案してもらい、興味を持った企業の見学や実習に行きました。
非公開求人をいくつか提案してもらい、興味を持った企業の見学や実習に行きました。

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働いてみてどうですか?
田村さんをはじめ、みなさん優しく接してくださいます。
田村さん(上司の方)をはじめ、みなさん優しく接してくださいます。
疑問に感じたことを質問すると、手を止めて聞いて・応えてくれることに感謝しています。
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働き続ける上では何が大切ですか?
毎日働く体力です!
毎日働く体力です!
あたたかい季節では寝る前に筋トレや柔軟体操をして体力づくりをしています。
また、丁寧に作業することや、喜んでもらえるように作業を進める意識も大切にしています。
そして無理をしないことや、休みの日はゆっくり休むことも実践しています。

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これからの目標・夢は何ですか?
職場内の「ムードメーカー的な存在」になることです。
職場内の「ムードメーカー的な存在」になることです。
職場を明るくできたらいいなと思っています。
そして長く働くことが目標です!
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企業担当者様からひと言
大新東株式会社東北支店
名取旅客営業所所長 田村 篤人様
2月の寒い中での実習で、 「心が折れてしまったのではないか...」と気にしていましたが「楽しかった」という感想があり、驚きと同時に芯の強い方だと感じました。
採用前に実施した企業見学会の時に遡りますが、当時は全体で20名弱の方に参加いただきました。
その時は2月の寒い中で、バスの掃除の様子を見ていただき、正直最初は「大変ではないかな…」と思っていました。
さらに、実習初日は雨水除去の作業で、寒い中長靴を履き、水の中に入って行う内容でした。
「心が折れてしまったのではないか...」と気にしていましたが、小山さんからは「楽しかった」という感想があり、驚きと同時に芯の強い方だと感じました。
採用後から現在に至るまでも業務内容をしっかり確認しながら最後まで実施してくださっています。
仕事は信頼関係が大事ですが、小山さんには信頼感を持って仕事を依頼しています。
清掃業務だけではなく、今ではファイル整理などの業務にも対応いただいています。
小山さんは欠かせない存在です。

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ご本人から一言
「出会い」は大事です!
「出会い」は大事です!
たくさんの人に出会って、たくさんの人に支えてもらって今があるので感謝していきたいと思っています。今生活が少し安定してきたのもみなさんのおかげだと思っています。
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Rickeyクルーズ担当者からひと言
担当支援員 渡部 栄姫
作業の丁寧さ、周囲の方に感謝の気持ちを持ちながら生活される姿勢など素晴らしいと思っています。
Rickeyクルーズで身に付けた体調管理の方法(クライシスプランの活用)や、作業の丁寧さ、周囲の方に感謝の気持ちを持ちながら生活される姿勢など素晴らしいと思っています。
今後も企業の方、青葉病院のみなさま、Rickeyハーバーとともに「自分らしく生きる」サポートをさせていただきます!

Rickeyハーバー
(相談支援事業所)について
-Rickeyクルーズと連携した支援機関-
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Rickeyクルーズ(就労移行支援・就労定着支援)のご利用だけでなく、 Rickeyハーバー(相談支援事業所)のサポートも受けましたが、Rickeyハーバーのサポートはいかがでしたか?
「いろいろ相談してもいいんだな」と思えました。
とても安心して相談できています。
サービス等利用計画を作ってもらった時に「ちゃんと話を聞いて作ってくれているんだ」と思い、そこから「いろいろ相談してもいいんだな」と思えました。とても安心して相談できています。

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Rickeyハーバーの支援が入ったことで、
ご自身の生活で良い変化はありましたか?
自分の仕事や生活のことだけでなく、家族のことも含めて相談できるので安心しています。
生活が安定してきているのでそれが一番だと思っています。
自分の仕事や生活のことだけでなく、家族のことも含めて相談できるので安心しています。
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Rickeyハーバー担当者からひと言
担当相談員 山口 順司(Rickeyハーバー)
今後も生活全体のご様子も伺いながら、関係機関の方と連携をして生活面での支援をさせていただければと思います。
小山さんは生活面もしっかり意識をして過ごされているので、安定した就労が継続できていると思いますが、日常生活の中では不安に感じる事や一人では解決できない事もあると思います。相談支援としては今後も生活全体のご様子も伺いながら、関係機関の方と連携をして生活面での支援をさせていただければと思います。

青葉病院デイケア
(精神科デイケア)について
-Rickeyクルーズと連携した支援機関-
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青葉病院デイケアでの活動や特徴について
医療・福祉・行政にこだわらず、一般の方にも講師として来てもらっており、「ここにいれば社会を知れるオープンなデイケア」を目指しています。
- 青葉病院デイケアの特徴的な活動の一つとして、バーチャルSST(VRSST)があります。コミュニケーションが苦手な方が多かったため、そこに特化したプログラムをやろうと考え、2023年8月よりFACEDUOの活用により、コミュニケーション向上を目的として実施を始めました。
- ただ、最初からVRだけに期待するのではなく、それに「リアルな体験型SST」も組み合わせて様々な活動をすることによって質が向上すると考えています。
- 医療、福祉、行政に関係してない、一般の方にも講師として来てもらっている(ヨガ、ボイストレーニング、カイロプラクティック(整体師)等)。「ここにいれば社会を知れるオープンなデイケア」を目指しています。
- ストレスマネジメントもVRSSTとの組み合わせも有効的で、それを学ぶことによってVRで活かせることも増えています(院内の心理士による講座にも役立っている)
- 喫茶の運営も就労プログラムの一環としてやっています。将来的に、実際に接客に就く人が少なかったとしても、「人と人とのコミュニケーション」には有効と考えており、「自信の回復」には有効な形の一つです。

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小山さんが取り組まれた活動や印象的なエピソードは?
常にこの先のステップアップを意識していたため、休まずに通うことは凄く意識して実行していました。
- 最初は何か質問があっても気づいてほしくて職員を目で追っていました。不安や緊張があったのだと思います。それが徐々に、自分で勇気を出して言語化できるようになってきました。その背景には、まず単純作業に慣れるところから始めたことも大きかったと思います。(報告する・相談する等)
- コミュニケーション面でパフォーマンスを発揮できるように、パターン化された仕組みの中で、報告や相談ができるようにステップアップしていきました。
- 小山さんはできることも多く、周りからフィードバックされることでどんどん強みが増えていき、報告や相談については自分の力で考えてできるようになっていきました。
- 小山さんの良いところは、「休まないタフさ」があるところです。家から当院まで距離もありましたが、常にこの先のステップアップを意識していたため、休まずに通うことは凄く意識して実行していました。
- 無理をしない選択をすること、それが大切であることはデイケアで学んだことも多かったのではないかと思います。仕事をする上では無理をしないことも大事ですので。
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医療機関の立場から見た就労支援について
(必要性や連携の在り方など)
情報共有を密にして連携が組めたことで、就労までのステップアップが実現したのだと思います。「密な連携」といっても難しいことではなく、「自然な感じ」でやりとりしていくことが大事ですね。
- 精神科デイケアとしては、就労に向けての訓練を意識しながらも、病気が再発しない部分に視点を置いています。
- 患者様が望む具体的な就労のステップアップには、就労移行支援事業所の力は欠かせないものだと思っています。逆に就労移行支援事業所でうまくいかないことがあった時に、今度はこちらが医療の立場でアプローチをすることができる部分も、お互いの強みを活かし合った連携の在り方だと思います。精神科デイケアとしては、「健康を支えること」「それに対してのスキルのトレーニング」が得意分野です。
- 小山さんの場合は、そのあたりの情報共有を密にして連携が組めたことで、就労までのステップアップが実現したのだと思います。「密な連携」といっても難しいことではなく、「自然な感じ」でやりとりしていくことが大事ですね。
- Rickeyクルーズとは日頃からデイケアでのプログラムにも協力してもらい、デイケアのメンバーさんと直接顔見知りになっていただいたことも良い形になったと思います。
- また、コミュニケーションに自信がない彼女でしたので、FACEDUO(VR-SST)のトレーニングはステップアップに向けての大きな支えとなっていたようです。仲間と悩みを共感し、テーマを共有し、トレーニングで身に付けたスキルを今度はRickeyクルーズさんでのトレーニングで活かすことで、更なる自信の回復に繋がったように思います。

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医療機関の立場で一般企業や社会、就労支援事業所に求めたいことは?
患者様(当事者の方)とコミュニケーションを取ってもらえたらありがたいです。短い会話でも良いですし、極端ですが挨拶だけでも良いです。
- 患者様(当事者の方)とコミュニケーションを取ってもらえたらありがたいです。短い会話でも良いですし、極端ですが挨拶だけでも良いです。
- 「仕事を目指すにもこういう病気があったら社会に受け入れてもらえないのではないか」という恐怖感がある方が一定数いらっしゃいます。そうなると病気を隠して社会に出る選択をする人もいます。
- その点、当院では外部講師の方に協力してもらえたことで、社会との接点としてコミュニケーションできる機会があると、安心して患者さんも受け入れて成長することができます。
- 「コミュニケーションが上手になりたい」と願うメンバーさんのニーズに対して、コミュニケーションの機会を与えてくれる社会があると、それが病気の再発予防やリカバリーにつながっていくと思っています。
- 「人と気軽にしゃべりたい」「仲良くなりたい」という気持ちは根底にあっても、それをうまく表出できない人もいます。また、「社会」を知らない患者さんも多いです。ここにいながら社会の事例を知ることができたり、社会に触れる機会があると、ステップアップを目指すための良い目標設定につながっていくように感じています。
- 過去にやってきた仕事だけに固執するのではなく、自分の中で眠っている可能性を拡げていけることができるとなお良いのではないかと思います。
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最後にひと言
一般財団法人東北精神保健会 青葉病院
長山 弘美様
(精神保健福祉士・社会福祉士)
その素直さ、周りの人のアドバイスを受け入れる力は、絶対これからの仕事で役に立つことです。今後も小山さんの感性というか、人とつながることの大事さを常に持っていただけたらと思います。
- 精神科デイケアの良いところは、就職しても、その後の就労定着支援の利用期限が終わっても、外来の時に気軽に立ち寄ることができるところです。ステップアップした方が、外来の後に気軽にふらっと寄っていってくれていくような、そんなデイケアにしたいと思っています。
- 小山さんに関しては、デイケアの活動の中では受け入れがたいこともあったと思いますが、よく柔軟に受け入れてくれたなと思います。その素直さ、周りの人のアドバイスを受け入れる力は、絶対これからの仕事で役に立つことです。今後も小山さんの感性というか、人とつながることの大事さを常に持っていただけたらと思います。
